ライフスタイルや家族構成に合わせたり、住まいへのこだわりを表したりできる注文住宅ですが、思いが強い分、理想どおりの住宅にならなかったケースも。中には後悔する方もいるようです。

本記事では、注文住宅で後悔しやすいことを紹介しつつ、注文住宅が向いている方の特徴を建売の場合と比較しながら解説します。また、注文住宅を建ててしまってから後悔しないために、建売住宅のほうが向いている方や建売住宅の選び方のポイントについても紹介します。

注文住宅で後悔しやすいこと

住まいへのこだわりを自由に組み込むことができる注文住宅ですが、後悔する人も少なくありません。こだわりを十分に反映させたはずなのに、どうして後悔するような事態になるのか。その代表的な７つの理由について解説します。

予算をオーバーしてしまった

販売価格が決まっている建売住宅とは違い、自由度の高い設計ができる注文住宅は予算オーバーすることが珍しくありません。「リビングは吹き抜けがいい」「洗面スペースは１階と２階の２か所がいい」「庭にはウッドデッキを付けたい」「趣味が楽しめる部屋が欲しい」といったように、希望を取り入れようとするためです。

また、「メンテナンスが楽になる」「意匠を高めたい」といった理由から、当初は予算に入れていなかったオプションや設備のグレードアップをしてしまうこともあります。

誰でも住まいに対する理想があり、予算をかけるほどその理想に近づいていくものです。そのため、注文住宅は予算オーバーしやすいという側面もあるのです。

希望どおりの土地が見つからなかった

注文住宅を建てる場合、土地を所有していない方は土地探しから始める必要があります。土地は場所により特徴が異なるので、理想の暮らしができる土地を見つけるのは簡単ではありません。

例えば希望のエリアで空き地を見つけたとしても、価格が高かったり、広さが足りなかったりすることがあり得ます。また隣家を含む周辺の環境も重要で、理想的な眺望が得られない、風通しが悪そう、開放感や明るさの確保が難しそうなどという不満や懸念も生まれがちです。

特に土地の供給量が少ないエリアでは競合になることもあるため、急いで決断を迫られることもあります。そのため、妥協してしまったり、よく検討できないまま購入を決めてしまったりする場合も少なくありません。そうした理由から、住宅は思いどおりに建てたものの、「日当たりが悪い」「隣家から騒音が聞こえる」といったように不満が残る場合もあるのです。

打ち合わせが多く、時間や労力がかかった

建築プランが決まっている建売住宅とは異なり、注文住宅は間取りやデザインをはじめ、設備や仕様、カラーリングなど細部に至るまで自分たちで決める必要があります。そのため、建築会社との打ち合わせが多く、費やされる時間も労力も多くなるのが通常です。

打ち合わせの回数は一般的には10～20回程度ですが、不動産会社との意思疎通がうまくいかず理想的なプランにならない場合はさらに回数が増えてしまいます。苦労するほど愛着が湧くこともありますが、費やす時間や労力の多さに疲れてしまい後悔するケースも少なくないのです。

ローンの組み方が複雑で資金管理が大変だった

自己資金の状況によりますが、注文住宅の場合は土地と家の２つの住宅ローンを契約することが一般的です。つまり、注文住宅の場合は、自己資金の管理が複雑になります。自己資金の何割を住宅の頭金にするのかといったように、資金状況を見極めて管理する必要があるからです。

しかも、２本立てのローンでは土地の引き渡し時から土地購入分の返済が始まり、自己資金の状況によってはつなぎ融資が必要なケースもあります。この点も、注文住宅の資金計画で後悔しやすいポイントです。

また、書類の提出や契約の締結のたびに金融機関に足を運ぶ上、手数料などの費用がかかる点も覚えておきましょう。

使わない機能を付けてしまった

住まいへのこだわりが強く、使わない機能を付けてしまったり、設備機器や仕様のグレードアップをしてしまったりするのも注文住宅によくある失敗です。

例えば、冬の寒さ対策のためと思い床暖房を付けたものの、頻繁に使わないといったこともあります。設備機器や仕様のグレードを決める際は、生活スタイルを考えて慎重に検討するようにしましょう。

入居までに時間がかかった

建売住宅の場合はすでに完成しているケースが多いため、契約が成立して引き渡しが済めばすぐに入居が可能です。しかし注文住宅の場合、土地探しから始め、設計も１から始めることになり、各種申請に時間がかかります。

思っていた住み心地にならなかった

完成している建売住宅の場合、実際の建物を見て購入を判断することができます。一方、注文住宅の場合は設計図やカタログを見て決めるため、設計士の提案力に加えてイメージの共有がしっかりできていないと、想像どおりの建物にはならなかったということがあります。

例えば、外壁や壁紙、設備機器などは面積効果によってサンプルと実際の色味が違って見えます。また、眺望や風通し、日当たりなども想定とは異なることがあるほか、収納やコンセントの数に不便を感じるといった想定外のこともあるのです。

注文住宅に向いている方

注文住宅で後悔しやすいポイントを把握したところで、注文住宅に向いている方の特徴を見てみましょう。

土地を所有している

新築の一戸建てに住むには、住宅を建てる、あるいは土地と住宅がセットになっている建売住宅を購入するという２つの方法があります。土地を所有している場合は、わざわざ土地を購入することなく住宅を建てることができ、資金管理も複雑になりにくくなります。

つまり、住宅に予算をかけやすく、家族のライフスタイルに合わせてより自由に設計ができると考えられます。

たくさんの時間がかけられる

入居までに時間的な余裕がある場合も、注文住宅の方が向いています。注文住宅を建てるには、細かな仕様まで決めることが必要となる場合もあり、打ち合わせを何度も行うことになります。そのため、時間をたっぷりかけてじっくり決めたいという方や、打ち合わせも楽しく取り組める方が向いています。

暮らし方に明確なこだわりがある

建築プランが決まっている建売住宅と比べて、家族の思いやライフスタイルに合わせた住宅が建てられるのが注文住宅の特徴です。例えば、「ガレージで愛車と過ごす時間を確保したい」「ペットも快適に暮らせるようにしたい」「両親と一緒に住む二世帯住宅にしたい」「平屋での生活に憧れている」などといったこだわりや要望を建売住宅で叶えるのは難しいものです。そのため、建売住宅では叶えにくい明確な要望やこだわりを持っている方は注文住宅が向いています。

建売住宅に向いている方

注文住宅が向いている方に対し、建売住宅の購入が向いている方の特徴を紹介していきます。

スムーズに入居したい方

新築一戸建てにはさまざまな種類があり、それぞれで入居までの流れが異なります。例えば、建売住宅であれば物件を決めて売買契約を締結し、代金を支払うことで入居が可能になります。この期間は、短ければ３か月ということも可能です。

これに対して注文住宅の場合は、土地探し・土地契約から始まり、建築会社の選定・設計契約、プランの決定、工事請負契約の締結、施工、完成といったような流れになるのが通常です。そのため、早くても入居までに１年、長ければ２年以上かかることもあります。

例えば「転勤が決まった」「子どもの進学に合わせたい」といったように、できるだけ早く転居先を決めたい方は特に建売住宅のほうが向いているといえます。

絶対に叶えたいこだわりがない方

住まいに対する思いは人によってそれぞれです。絶対にゆずれないものがある人もいれば、特にこだわりがない人もいます。建売住宅の特徴の１つは、特別感はできるだけ抑えて、万人受けするような間取りやデザインにしていることです。

そのため、「ガレージが欲しい」「防音室が欲しい」といったような特別なこだわりがない方に向いています。

金額をできるだけ抑えたい方

建売住宅のメリットの１つは、手頃な価格設定です。仕様を規格化したり、スケールメリットを活かして材料費や人件費を抑えたりするなどして、コスパを実現しています。そのため、同じような規模で同じようなデザイン・設備にした場合でも、注文住宅よりも購入価格が安くなります。

建売住宅が「できるだけ金額を抑えたいけど、質は落としたくない」といった方に向いているといわれるのはそのためです。

土地を持っていない方

建売住宅は、建物と土地をセットにして販売している住宅のことです。つまり、土地込みで住宅を購入することができます。

通常、住宅に適した土地を見つけるには、予算の決定、希望条件の整理、下見、不動産会社への相談など、さまざまなステップを踏む必要があります。また、法律による制限事項など土地に関する知識も必要で、さらに日当たりや通風、隣家を含む周辺の環境など検討材料も多いものです。その点、建売住宅は土地込みで購入を判断できるため、「土地を持っていないけど一戸建てに住みたい」という方に向いているのです。

間取りやデザインを１から決めるのが苦手な方

注文住宅が難しいといわれるのは、間取りやデザインなどを１から考えて決める必要があるからです。また建築会社との打ち合わせの回数も多いため、家づくりにかける時間も労力も多く、負担が大きくなってしまうのです。

その点、建売住宅はすでに建築プランが完成しているため、「家づくりにかける時間がない」「間取りやデザインを決めるのが苦手」といった方にも向いています。

後悔しないマイホーム選びのポイント

注文住宅も建売住宅もメリットが豊富ですが、後悔をまったくしないとは言い切れません。しかし選ぶポイントを整理しておくことで、後悔を回避しやすくなります。ここでは、購入する際に後悔しないよう、選ぶポイントについて解説します。

間取りや部屋数を決めておく

建売住宅はすでに建築プランが確定しており、完成済みのケースがほとんどです。そのため、注文住宅検討中の方も建売購入を考えている方も家族構成や暮らし方に合っている間取りかどうかまずは確認しましょう。

この際、将来を見据えておくことも重要です。例えば、「子どもは２人欲しい」と考えている夫婦であれば、２LDKでは将来的に狭くなってしまいます。３LDK以上か、部屋を分けるのが容易な可変性のある住宅を選ぶことがポイントになります。

予算の上限を決めておく

販売価格が決まっている建売住宅ですが、付属していないものや追加したいものなどが出てくるケースもあります。そのため、注文住宅でも建売住宅の場合でも住宅にかける費用に上限を設けておきましょう。

例えば、建売住宅には照明やカーテンレール、網戸、エアコンなどが付属していないことがあります。見学の際に、何が含まれていないか、何をオプションで追加できるのかを確認しておくとよいでしょう。

また、住宅ローンを組む際の事務手数料や印紙代など、契約までの過程で発生する費用があります。気づいたら予算が足りなくなっていたということがないように、資金の管理を徹底するようにしましょう。

希望条件の優先順位を決めておく

「小学校から徒歩10分以内」「近くにスーパーがある」「リビングは吹き抜け」「対面キッチンがいい」など、住宅に対する希望は誰でもあるものですが、すべての希望が叶えられている住宅を見つけるのはそう簡単ではありません。

そこで、叶えたい条件に優先順位を決めておくことがおすすめです。物件が見つけやすくなる上、後悔もしにくくなります。入居後に追加できるものとできないものに分けておくと、優先順位を決めやすくなります。

内覧のポイントを把握しておく（建売住宅）

建売住宅は購入前に物件を確かめられる分、「あのとき、しっかり見ておけば」というような後悔につながることもあります。そのため、内覧の際に何を確認するべきかチェック項目を作成して持参するとよいでしょう。

例えば、「外構」「玄関」「リビング」「階段」「水回り」「収納」といったように間取り別に分け、それぞれチェックしておきたいことを把握しておきます。例えば、「収納」であれば数は十分か、容量は十分か、必要な場所に設置されているか、などをチェックリストとしてまとめておきます。内覧時に確認することで、入居後に後悔する確率は下がるでしょう。

保証制度やアフターサービスを確認する

新築住宅には「品確法」によって、建物の一部に10年間の保証が義務付けられています。この保証のほか、それ以外の保証やアフターサービスが用意されているかも確認しておきましょう。

住宅は建ったその時点から劣化していきますが、「長期間の保証が付いている」「アフターサービスが受けられる」といったことでより安心して暮らすことができます。

災害リスクを把握しておく

注文住宅で土地を選ぶ際も同じですが、どのような災害に遭う危険があるかを適切に確認しておきましょう。不動産を購入する際は、不動産会社がそのエリアにおける災害リスクを説明する義務があります。説明をしっかり聞くことはもちろん、公表されているハザードマップなどで確認することが大切です。

また、地盤が弱く地震による被害を受けそうなエリアであれば地震保険、川や海に近い地域であれば水害に関する保険を厚くかけておくといった対策も検討しましょう。

マイホーム購入で後悔したくないならハウスジャパン

理想の住まいのために注文住宅を希望する方もいますが、実はその分苦労が多く、後悔するケースも多いもの。どのようなことで後悔しやすいかを事前に把握して、後悔のない住宅づくりをしましょう。

今回の記事では、注文住宅や建売住宅に向いている方についても解説しました。理想の住宅づくりのためにぜひお役立てください。

もちろんハウスジャパンでは、住宅性能に優れた注文住宅クオリティの建売住宅を用意している上に、カラーコーディネートのカスタマイズが可能なプラン「CUSTOM建売」も提案しています。また、住宅へのこだわりを叶えられるよう「定額制自由設計」住宅や、費用重視のデザイン住宅といった注文住宅ブランドも複数そろえています。

注文住宅か建売住宅のどちらかに決めている方はもちろん、「どちらにしようか迷っている」という方もお気軽にご相談ください。