ヌックで快適な空間がもう1つできる?設置する際のポイントや建築事例も紹介 - ハウスジャパン

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ヌックで快適な空間がもう1つできる?設置する際のポイントや建築事例も紹介

注文住宅の際に、検討されることが多くなったヌック。「こぢんまりとした快適空間」などを指すスペースのことですが、コロナ禍でおうち時間が増えたことで注目度が高まっています。

本記事では、ヌックを導入するメリット・デメリットを紹介しつつ、取り入れる際のポイントも解説します。また、ヌックを設置するのに向いているスペースや建築事例も紹介しますので、検討されている方はぜひ参考にしてください。

目次

ヌックとは?

ヌックとは、部屋の隅などを利用した小さなスペースのことです。厳密な定義はありませんが、主に「ほかとは違う小さな居心地のよい空間」を指します。

設計する際の自由度が高いのが特徴で、半個室のような場合もあれば、オープンスペースとして設置されることもあります。壁や段差で奥行きを設けており、デザインも様々です。

語源は、スコットランド語の「neuk(ヌーク)」です。中世のスコットランドの住宅の、暖炉のそばの居心地のよい場所に腰掛けを設ける「イングル・ヌーク」と呼ばれる空間から「ヌック」と呼ばれるようになったとされます。

似たような室内に設ける小さなスペースには、小上がりやDENがありますが、ヌックのほうが独立性は低く、スペースも狭いとされます。

ヌックを取り入れるメリットとは?

ヌックを取り入れるにはメリットがありますが、代表的なのが次の4つです。

もう1つの特別な空間ができる

小さなスペースながら別空間を設けることで、居室とは異なるもう1つの特別な空間ができます。

例えばリビングにヌックを設ける場合、同じ空間にいる家族の存在を感じながら、自分の時間を過ごせるプライベート空間になります。「子どもが遊ぶスペースがほしい」「趣味の時間を過ごしたい」「落ち着いた時間を過ごしたい」といった場合に最適な場所といえます。

空間の有効活用になる

ヌックを設置するのは、主に階段下や廊下の一角、リビングの隅などです。本来はデッドスペースになっていることも多い場所に設置することができるため、空間の有効活用になります。

特に階段下や廊下の一角、階段の踊り場などは移動するための空間で、本来であれば活用しにくいスペースです。このような場所にヌックを設置することで、空間の無駄を省くことができます。特に敷地が狭く、居住空間が限られている住宅に導入すると、作業用のお部屋を設けるよりもより効果的です。

さまざまな使い方ができる

ヌックには特に定義がないため、使う人の工夫によってさまざまな使い方ができます。居室を設けるほどではないけれど、自分だけの空間が欲しいといった場合などに有効です。

具体的には、キッズスペースやくつろぎスペース、ペットの居場所、読書スペース、趣味のスペース、などが考えられます。さらに家具を変えて、必要に応じて使い方を変更できるのもヌックのメリットの1つです。

間取りにメリハリを出せる

例えば、リビングやLDKなど広い空間は単調になりやすいものですが、ヌックを設けることで変化を与えることができます。

インテリアにアクセントを加えることでメリハリもでき、ほかのどこにもない個性的な空間にすることができます。

ヌックを取り入れるデメリット

一方、ヌックを取り入れることによるデメリットもあります。代表的な3つについて解説します。

建築コストがかかる

ヌックはそれほど広い空間ではありませんが、居心地のよい空間とするためにはコストがかかってしまいます。本棚を設置する、室内窓やベンチを取り付ける、空調機器を導入する、コンセントや照明器具を設置するといったことで費用がかかるからです。

専用のスペースが必要になる

デッドスペース以外にヌックを設ける場合は、そのためのスペースが必要になります。つまり、設置を計画している場所によってはヌック以外のスペースが狭くなってしまうのです。この点もデメリットです。

間取りのバランスや設計を考慮した上で、ヌックを設けた場合に収納スペースは確保できるか、居住スペースに圧迫感を与えないか、などに気を付けながらプランを立てるようにしましょう。

有効活用できないことがある

ヌックを設ける際にもっとも注意したいのが、使い勝手の良し悪しです。スペースの有効活用のために設けたのに、想定どおりに使われない可能性もあるのです。

例えば、家族が集まる空間から離れた場所に設けたことで孤立を感じてしまいリビングで過ごしている、といったことがあります。また、くつろいだり趣味で使ったりすることを想定して設けたが、飲み物や書類などヌックで使いたい物の運び出しが不便になってしまい、活用しなくなったということもあります。

ヌックを設置するのに向いているスペース

基本的にヌックはどこに設置してもいいものですが、設置するのに向いている代表的な5つの場所について解説します。

リビング

家族とのつながりを感じたい場合は、LDKの一角にヌックを設けることを検討しましょう。一人で過ごすだけではなく、子どもやペットのための空間としても活用できます。ヌックの収納力を高めることで、リビングの整理整頓に役立つことも考えられます。

飲み物やお菓子のほか、本など必要なものをLDKから持ち出して快適に過ごしたい方にとっても、LDKの設置がおすすめです。

階段下

階段下はデッドスペースになりやすい場所ですから、ヌックを設置するのに最適な場所の1つといえます。隠れ家のように使えることに加えて、LDKの広さに影響を及ぼさないこともメリットです。特にリビング階段のある間取りを有効活用できます。

リビングとは適度な距離ができるのも特徴で、家族を感じながらも自分のやりたいことに没頭できるスペースになります。そのため、ワークスペースや子どもの勉強スペース、読書スペースなどとしておすすめです。

スペースはLDKに設ける際に比べて小さなスペースになりがちですが、隠れ家のような空間を実現しやすくなります。

廊下

廊下は移動するためのスペースですから、本来は人が行き来するためだけに使われる場所です。そうした場所にヌックを設置することで、廊下が滞在する場所に生まれ変わります。

家族が全員使う場所として、休憩スペースや勉強スペース、ワークスペースなどに活用できます。

ただし、空調換気や照明設備など、快適な空間にするためには建築コストがかかるのがネックです。

子ども部屋

子ども部屋の中にヌックを設ける場合は、秘密基地のように使ったり、趣味のものを収納したりといった使い方が想定できます。子どもの遊び心をくすぐることができる上、自分の専用空間ができることで安心感が得られ、集中できる環境の形成にも役立ちます。

また、収納を用途とした場合、整理整頓をする際も比較的簡単なため、片付ける意識や能力も育まれます。

窓辺

居心地のよさを追求するなら、窓辺にヌックを設置するのもおすすめです。天気や季節を近くで感じられるため、リラックスした時間を過ごすことができます。

景色を眺めたり、読書したりするほかに、ペットと一緒に過ごす時間などにもうってつけの場所になるでしょう。

ヌックを設けるときのポイント

ヌックはただ設置すればいいわけではありません。注意点として、次の4つのポイントについて解説します。

用途を明確にしておく

ヌックはいろいろな活用の仕方ができます。だからといって、用途をあいまいにしたまま、スペースだけ設けておこうとすると上手に活用できないことも考えられます。

そこで、「誰が」「何を」「どう楽しむ」のか、ヌックの使い方を明確にしておきましょう。設置する場所はもちろん、必要な広さや置くべきもの、デザインの方向性、活用のプランBなども見えてくるようになります。

「ヌックをつくりたい」ではなく、「○◯をしたいから、ヌックをつくる」と考えることが重要です。

空気の流れに気を付ける

ヌックには定義はありませんが、せっかくつくるのであれば特別な時間が過ごせる空間にしたいものです。そこでまず考えたいのが広さです。2~3帖程度がちょうどよい広さとされます。このスペースを「どのようにすると、目的に合わせた居心地のよい空間になるのか」、アイデアや工夫を家族で話し合うようにしましょう。

この際に気を付けたいのが空気の流れです。ヌックは広くない空間ですので、空気がこもりやすい傾向があります。居心地のよい空間にするためにも、窓や換気扇を設けたり、エアコンなどの近くに設置したりと、空気の流れを考えて場所と広さを決めるようにしましょう。

デザインにメリハリをつける

ヌックを居心地のよい空間にするには、ほかとは別の空間にすることです。気持ちの切り替えがしやすく、家族から適度に離れることでリラックスした時間を過ごせるようになります。

ただし、原則として扉は設けないため、緩やかなゾーニングなどでメリハリをつける必要があります。その場合、壁紙の色を変える、開口部の形をデザインする、段差を設けるなど工夫しましょう。

安全性に配慮する

ヌックのデザインにメリハリをつけることは重要ですが、デザインを優先しすぎると、子どもや高齢者にとって危険な場所になることもあります。

特に段差を設けたり、入口を狭くしたり、天井を低くしたりすると、段差でつまずいたり、天井にぶつかったりすることもあります。床材や壁紙を工夫して視覚的な誘導サインを作る、手すりを設置するなど安全性にも配慮しましょう。

ヌックの建築事例

ヌックの基本情報について把握したところで、よりイメージしやすくなるように実際の建築事例を紹介します。

ヌックの建築事例001「家族がつながる、吹き抜けと坪庭付きの家」(岡崎市)

 スキップフロアを利用して、テレビボード横に隠れ家のようなヌックを設置。おもちゃを収納したり、秘密基地のように一人の時間を楽しく過ごしたりできる居心地のよいスペースとして活用されています。

ヌックの建築事例002「木の温かみを感じられる家」

階段下に設けられたヌック。ちょっとした収納スペースに最適です。

ヌックの建築事例003「設計士が暮らす快適な家」(弥富市)

キッズスペースとして活用しつつ、子どもでも簡単に整理整頓ができるように、壁の中に収納部分も設けています。リビングの中に設けることで子どもの様子を見守れます。

ヌックの建築事例004「韓国風インテリアのお家」(西尾市)

リビングに設けたヌックは、子どもが自由に使えるキッズスペースとして活用。白を基調とした室内にあって、アクセントとしておうち型の開口部を黒くしているのもポイントです。

ヌックを取り入れたいならハウスジャパンへ

子どもの遊び場や家族とのつながりを感じられる趣味の場所などとして、検討されることが多くなったヌック。小さくて居心地のよいスペースとして、さまざまな使い方ができます。

費用はかかりますが、ひと部屋設けるよりも建築コストを抑えられるのもメリットです。また将来的に収納スペースにするなどの可変性も高いため、導入に向けて検討してみてはいかがでしょう。

ただし、居心地のよい空間にするには、ヌックの導入実績が豊富な建築会社がおすすめです。建築事例で紹介したように、ハウスジャパンではこれまで注文住宅・建売住宅において数多くのヌックを導入した実績があります。検討段階からアドバイスもできますので、お気軽にご相談ください。

マーケティングチーム

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