ライフサイクルコストを意識した家づくり!コスト削減の基礎知識にアイデアも! - ハウスジャパン

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ライフサイクルコストを意識した家づくり!コスト削減の基礎知識にアイデアも!

住宅を建てる際は建築コストに目が行きがちですが、初期費用を低く抑えられたとしても住み始めてから高いコストを支払うのでは意味がありません。そこで、ライフサイクルコストという考え方が住まいにも普及しています。

ライフサイクルコストとは、調達・製造から、運用・廃棄に至るまでの費用をトータルで考えることで、住宅でいえば建築コストからランニングコスト、修繕費や解体までの総費用を指します。つまり、ライフサイクルコストを意識して家づくりをすると、住まいにかける費用をトータルで抑えられるということなのです。

本記事では、住まいのライフサイクルコストを抑えるための基礎知識やアイデアについて解説します。将来を見据えた家づくりのために、ぜひお役立てください。

目次

ライフサイクルコストを意識した家とは?

住まいにおけるライフサイクルコストとは、①建築(取得)費用②ランニングコスト③修繕費の大きく3つに分けられます。この項目では、特に気になる方が多い「ランニングコスト」と「修繕費」について解説します。

ランニングコストが抑えられる家

住宅におけるランニングコストとは、建築後に定期的に支払う税金や保険料、光熱費、保守・点検費、メンテナンス費などを指します。ライフサイクルコストのおよそ5割は、この住宅設備に関するランニングコストが占めているといわれています。

つまり、ランニングコストが抑えられる効率のよい家は、ライフサイクルコストも抑えられると考えられます。光熱費を抑えられる、高断熱・高気密などの基本性能が高い家を意識しましょう。

修繕費が抑えられる家

修繕費が抑えられることも、ライフサイクルコストの削減につながります。住宅は建てるだけではなく、快適に暮らすために維持し続ける必要があるからです。そのため、長寿命かつメンテナンスが容易な建材を使用するなどで、維持管理がしやすい住宅を目指しましょう。

ライフサイクルコストを意識した家のメリット

では、ライフサイクルコストを意識して家づくりをすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは代表的な4つについて解説します。

暮らしの負担を軽減できる

ライフサイクルコストを意識した家の条件の1つは、ランニングコストが抑えられることです。例えば、毎月のランニングコストが5万円の住宅と、3万円の住宅では、年間にすると24万円、10年間では240万円の違いがあります。

このように、入居後にかかるランニングコストが軽減できれば、毎日の暮らしに余裕ができます。そのため10年後や20年後の家族のライフプランが立てやすくなります。

快適な住まいを実現できる

断熱性能のほか、節電・節水効果が期待できる設備機器などで基本性能を高めることで、省エネで効率よく、かつ快適に暮らすことができます。例えば、断熱性と気密性を高めることで外気温の影響を受けにくくなり、快適な空間を維持しやすくなります。

また室温が快適に保たれるため、ヒートショックの予防にもなるなど健康的な暮らしも実現します。

金利や税制の優遇を受けられることもある

ライフサイクルコストを意識して住宅の断熱性や省エネ性を高める場合、住宅ローンの金利や税金、補助金交付などの優遇を受けられる可能性があります。

例えば、GX志向型住宅には「断熱性能等級6以上」や「再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を35%以上削減」といった条件がありますが、2025年7月までは、これらの基準をクリアした上で申請すると補助金が受けられました。

また、長期優良住宅の認定を受ければ、登録免許税や不動産取得税の優遇、地震保険料の割引といったメリットがあります。

資産価値を維持しやすくなる

ライフサイクルコストを意識した住宅は機能性に優れているため、資産価値が維持しやすくなると考えられます。例えば、耐震等級が高い住宅の場合は安全性が向上し、省エネ性が高い住宅は経済面で優れています。このような高性能住宅は、資産価値の下落が起きにくいのが通常です。

万が一売却する際は、同程度の規模の住宅に比べて高い価格がつくことにも期待できます。

ランニングコストを下げるための基礎知識

ライフサイクルコストを意識するには、ランニングコストを抑えるための家づくりが重要です。そのポイントとして7つ紹介します。

断熱性を高める

外気温の影響を受けにくい高断熱住宅は、夏は室内の涼しさ、冬は暖かさを維持することができます。そのため、冷暖房費を低く抑えられます。

断熱性を高める方法としては、断熱材を厚く入れる、高品質の断熱材を採用する、窓やドアなどの開口部に断熱性能に優れた製品を採用するといったことが挙げられます。

さらに気密性を高めることで不要な熱の出入りを防ぎ、より光熱費も低く抑えられます。エネルギーの使用量が減るため、地球環境にやさしい生活を送ることも可能です。

複層ガラスを導入する

住宅において、もっとも熱の出入りが多いのが窓を含む開口部です。夏の場合は屋外の熱の約73%が開口部から流入し、冬は屋内の熱の約58%が流出するとされます。そのため、窓の断熱性を高めることで、ランニングコストを軽減させることができるのです。

その際に検討されるのが複層ガラスです。ガラスとガラスの間に空気またはガスが封入されており、熱の流出入が大幅に少なくなります。複層ガラスはぺアガラスやトリプルガラスなど機能性の違いもあり、寒い地域ではより断熱性能の高いトリプルガラスを採用するのがおすすめです。

さらに表面に特殊な金属膜をコーティングしたLow-Eガラスや、ガラスとガラスの間を真空にしたり、ガスを封入したりするタイプの複層ガラスも用意されています。またサッシ枠は、アルミ製よりも熱の影響を受けにくい樹脂サッシを採用することで、ランニングコストの削減につながります。

FIX窓を採用する

FIX窓とは開閉できない窓のことで、「はめ殺し窓」ともいわれます。壁にはめ込み、基本的には開閉ができないため、気密性や断熱性、遮音性が高くなります。そのため、ランニングコストを抑えるのに有効なのです。

採光や眺望に活躍する一方、部屋に風を取り入れることはできません。そのため、FIX窓を採用する際は、換気システムなどで適切な通風計画を立てることも重要です。

節水・節電機能のある設備・システムを導入する

快適な暮らしをするのに欠かせない住宅設備機器ですが、さまざまな機能を活用することで快適性や省エネ性をより向上させることができます。

例えば、水の使用量を減らすことができるのが節水機能です。主にシャワーヘッドで採用されていますが、キッチンや洗面所などで活躍するのがタッチレス水栓です。センサーに手をかざすだけで吐水・止水ができるため、水道代の節約につながります。蛇口に触れる必要がないため、掃除の場所・頻度が減ることも節約につながります。そのほか、保温性の高い浴槽なら追いだき機能の使用頻度を減らせるため、給湯に関わる光熱費の削減ができます。

また、IHヒーターとエコキュートを組み合わせることでオール電化が実現し、ガスを使わず光熱費の削減&省エネが期待できます。

窓は必要な場所に必要なサイズで

前述したように、室内の冷気や暖気は窓から屋外に逃げていきやすく、ランニングコストを上昇させる要因にもなります。つまり、窓の位置やサイズにも注意することで、冷暖房のランニングコストを削減することができるのです。例えば、西陽が差し込む住宅は、夏の暑い日には室温が下がりにくくなります。こうした地域・立地の特性も考えて、窓の場所やサイズを検討しましょう。

過不足なく窓を設置するには、いろいろな項目で検討する必要がありますが、代表的なのは「眺望」「採光」「通風」「断熱性」「掃除のしやすさ」「プライバシーの確保」「防犯性の確保」などです。窓には「地窓」や「高窓」などの設置場所のほか、「スリット窓」「掃き出し窓」「出窓」「片開き窓」など形状や機能についてもさまざまな種類があります。それらの特徴を踏まえて、どのような窓を採用するか考えましょう。

屋外から入る日射を抑える

リビングに大きな窓を設置する場合、問題となるのが夏の日差しです。直射日光により室温が上昇してしまうため、冷房費が高額になってしまうのです。

このような場合、LDKなど掃き出し窓を設ける広い空間は、その間取りの配置・窓を設置する方角を工夫しましょう。庇やサンシェードなどを活用することも効果的です。夏は日差しの室内への侵入を防ぐため冷房費の上昇を抑える一方、取り外しができるものであれば、冬は日差しを取り込むことで室内が暖かくなります。そのため、暖房の使用も抑えることができます。

開放的な間取りにする

空気が循環しやすいように室内を開放的な間取りにすることも、ランニングコストの削減につながります。熱がこもったり、温度にムラが出たりすることが少なくなるため、冷暖房の使用を減らすことができるからです。

壁による仕切りを少なくしたり、各部屋が連続性のある間取りにしたり、シーリングファンを設けて空気の循環を工夫したりするのもアイデアの1つです。

可変性のある間取りにする基礎知識

ライフサイクルコストを意識して家づくりをする場合、リフォームや修繕費、増改築などの負担を減らせるように可変性のある間取りにすることがおすすめです。そのポイントとして、代表的な4つを紹介します。

木造軸組工法にする

一戸建て住宅の場合、建物の構造によって可変性は大きく変わります。例えば、日本で古くから受け継がれてきた伝統的な木造軸組工法は、主に柱や梁といった軸組で支える構造です。これらの構造部分を残せば間仕切りとなる壁は比較的自由に移動できるため、壁や床で建物全体を支える欧米で発展してきた2×4住宅に比べると可変性は優れているとされます。

間取り変更や増改築もしやすく、ライフプランや家族構成の変更にも対応しやすいという特徴もあります。そのため、ライフサイクルコストを意識するのであれば、木造軸組工法を選択するのがおすすめです。

スペースが十分な間取りにする

可変性のある間取りを実現するには、大きな空間が必要です。小さなスペースをいくつもつなげるよりも、あらかじめ広い空間にしておくほうが変化に合わせやすいからです。

特にリビングや子ども部屋、寝室など将来的に変更がありそうな場所は、広さを十分に確保しつつ可動式の間仕切りなどを活用することがおすすめです。部屋の使いやすさや居心地のよさを保ちつつ、将来のライフプランの変更や家族構成の変化にも合わせることができます。

シンプルな間取りにする

レイアウト変更が将来的に必要になると考えられる場合は、凹凸が少ないシンプルな間取りにするのもポイントです。例えば、リビングに子どもの遊び場を設置しようとした際に、四角い形であればリビングの一角を改装して設けることができますが、複雑な形状であれば設置場所が限られてしまう可能性があります。

また、スペースに余裕があれば、あえて自由に活用できる余白のスペースを残しておくこともおすすめです。

部屋の用途を固定しない

住宅の可変性を高めるには、用途を定めていない部屋を設けておくことも1つの方法です。家族の成長に合わせてフレキシブルに変化できるように多目的な活用が可能な設計・仕様にしておくとよいでしょう。例えば、子どもが小さい頃は納戸として使用していた部屋を書斎に変更したり、レッスン室やオーディオルームをホームシアターに変更したりすることも可能です。

また、用途を変えても使い勝手がよいレイアウトにしておくのもおすすめです。例えば1階に設けておいた客室を、シニア期に夫婦の寝室として使用するといったことも考えられます。将来的に趣味の部屋にリフォームすることを見越して、リビングの一角に子どもの遊び場を設けておくというのもアイデアの1つです。

メンテナンスをしやすくする基礎知識

住宅を長く快適に使用するためには修繕は欠かせませんが、日頃からメンテナンスしておくことで修繕費を抑えることができます。そこでメンテナンスをしやすくする基礎知識として、代表的な4つを紹介します。

手入れが容易な建材を使用する

建築時のコストは若干高くなりますが、メンテナンスの頻度が少ない建材や、自浄機能のある外壁材などを取り入れることが考えられます。そのほか、汚れに強い壁紙や傷に強いフローリング材などを採用することでメンテナンス費を削減できます。

例えば、子どもが小さいご家庭であれば、クレヨンなどの汚れが落ちやすい壁紙を使用するとよいでしょう。また、フロアタイルや衝撃に強いフローリング材を採用すると、お手入れや傷の補修にかかる費用が抑えられます。

バルコニーを設けない

メンテナンス費を削減するために、バルコニーを設けないのも選択肢の1つです。雨や土ぼこり、排気ガスなどのほか、プランターから流れ出た土汚れや洗濯物から落ちた繊維、害虫の死骸などで汚れやすいのがバルコニーの特徴です。

物置の代わりとして使用されている家庭では、屋外用のテーブルセットや防災用品、スペアタイヤ、ゴルフセットなどが雑多に置かれている場合もあります。そのため拭き掃除と掃き掃除をセットで行う必要があり、掃除をする際は重労働になってしまうのです。

さらにバルコニーの雨漏りによって、建物自体の老朽化を進めてしまうことも考えられます。そのため、メンテナンスを優先する場合は、バルコニーを設けないことも検討してみましょう。

水回りを集中させる

キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りを1か所にまとめるのも、メンテナンス費や修繕費などの維持管理費を抑えるのに有効です。床下および地下を通る配管をまとめることができるからです。

検査や修繕の際に配管が1か所に集中していると、工事がしやすいため費用を抑えることができます。また、建築時のコストも抑えられるため、イニシャルコストの削減もできます。

汚れに強い住宅設備を導入する

メンテナンスのしやすさを考えるなら、汚れにくい、あるいは掃除しやすい機能性の高い住宅設備を導入しましょう。

特にキッチンやバスルーム、トイレなどは毎日家族が使うため、すぐに汚れてしまいます。例えば、バスルームでは水あかに強い素材を用いているユニットバス、キッチンでは油汚れに強い素材の天板を選ぶことで、掃除がしやすく維持管理も容易です。

日頃からきれいにしておくことで、修繕や交換時期を遅らせることができるでしょう。

ライフサイクルコストを考えて家づくりをするならハウスジャパン

近年注目されているのがライフサイクルコストという考え方です。住まいにかかる費用をトータルで考えて家づくりをすることで、ライフサイクルコストが抑えられます。つまり、高品質でありながらトータルコストを抑えた理想的な住まいが実現し、家族がより豊かに暮らすことができるのです。

本記事では、ライフサイクルコストの多くを占めるランニングコストと修繕費に焦点を当てて解説しました。ぜひ参考にしてください。

なお、ハウスジャパンでは、提供する住宅のすべてで、耐久性および省エネ性に優れた長期優良住宅仕様が標準です。経験豊富なスタッフがランニングコストを抑えるためのアイデアや、メンテナンスがしやすくなるためのアイデアも提案していますので、ぜひご相談ください。

マーケティングチーム

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