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マーケティングチーム
2025.11.20 UP
電気料金の高騰が続く中、「住宅の省エネ性を高めたい」という方も多いでしょう。そこで考えられるのが太陽光発電設備や家庭用蓄電池の導入です。しかし「蓄電池はやめたほうがいい」という声も聞こえてきます。
そこで本記事では、家庭用蓄電池のメリットやデメリットを解説し、蓄電池を導入するのに向いている家庭と向いていない家庭の特徴も紹介します。本当に蓄電池を導入するのはやめたほうがいいのか、ぜひ判断する参考にしてください。
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蓄電池とは、電気をためておき、必要なときに使うことができる装置のことです。電気エネルギーは常に移動しており、ためられないという性質がありますが、化学反応を利用して電気エネルギーと化学エネルギーを変換することで、貯蔵・放出することができます。
家庭用蓄電池は、太陽光発電設備や住宅のコンセントなどと接続して電気を充電し、必要なときに使用することができます。電力会社からの電気使用量を抑えられ、電気料金が安くなるなどのメリットがあります。

蓄電池を導入すると多彩なメリットがあります。この項目では代表的な3つについて解説します。
家庭用蓄電池を導入する大きなメリットは、電気料金を抑えられることです。太陽光発電設備に接続している場合も、太陽光発電設備が設置されていない場合も電気使用料金を下げることが可能です。
まず、太陽光発電設備に蓄電池を接続している場合は、太陽光発電設備で発電した電気をためておくことができます。本来、電気エネルギーはためることができないため、家庭用蓄電池がない場合は太陽光発電設備でいくら発電しても、電気料金を下げるには限界があります。
しかし、家庭用蓄電池があると、日中に発電した電気をためておけるため、夜間や雨の日など発電できないときにもためておいた電気を使うことができます。電力会社から購入する電気量が少なくなるため、電気料金を下げられるのです。
一方、太陽光発電設備と接続されていない場合でも、電気料金が割安な時間帯に電気をためておき、電気料金が割高な時間帯に使用することで電気料金が安くなります。太陽光発電設備と接続すればより電気料金を抑えることはできますが、蓄電池の設置のみでも電気料金を低く抑えることができるのです。
日本は災害の多い国というのは周知のとおりですが、地震や台風、ゲリラ雷雨などが発生すると停電になるリスクが高まります。この際、電力会社から電気は供給されないため、家庭で使うことはできません。
しかし、蓄電池に電気がたまっている状態であれば、停電時でも家庭内で電気を使うことができます。スマホの充電ができるほか、真夏の暑い日にはエアコンが、冬の寒い日には電気ストーブが使えないといった事態を回避できるのです。
なお、太陽光発電設備と接続している住宅では、日中に発電した電気を夜間に使えるため、蓄電池のみ設置の場合と比べて長時間・長期間の停電にも耐えられると考えられます。
日本の電力構成は化石燃料による発電が全体の7割超(2022年度)を占めますが、太陽光発電で発電した電気を蓄電池でためて使うことで化石燃料の使用を抑えることができます。そのため、家庭用蓄電池を導入し、太陽光発電設備と接続すると、地球にやさしい生活ができるのです。
また、電力需給のひっ迫を回避するのにも役立つため、その点でも地球環境への負荷を軽減することになります。
電力会社は電力需要が高まる時間帯(夏季は13時~16時、冬季は17時~22時など)に多く発電し、電力需給のひっ迫を防いでいます。電力の供給量が需要を下回ると停電のリスクが高まるからです。この際、電力会社では火力発電所への依存度を高めるため、二酸化炭素の排出量が増加するなど環境への負荷を増大させる傾向があります。
しかし、電力需要が高まる時間帯に家庭用蓄電池にためた電気を使うことで、電力会社への電力需要を抑えることができます。そのため、化石燃料の使用を削減することにつながるのです。
前述したように、家庭用蓄電池を導入するメリットは多くありますが、「蓄電池はやめたほうがいい」といわれることもあります。その理由として代表的なのが以下の5つです。
「蓄電池はやめたほうがいい」といわれる1つ目の理由は、導入費用が高いことです。家庭用蓄電池の本体価格の相場は100万~300万円程度で、さらに工事費用が別途必要です。
特に住宅を新築する際はなにかと費用がかかりがちで、予算オーバーになることも珍しくありません。家庭用蓄電池の導入費用が高いと感じると、優先順位が低くなることもあります。
家庭用蓄電池の大きさは、容量によって異なります。5kWh程度の容量の小さな蓄電池であれば幅50cm×高さ50cm×奥行き30cm程度ですが、ためられる電気量も供給する電気量も少なくなるため十分な節電効果が得られない可能性もあります。
また、15kWh程度の容量の大きな蓄電池は高さが1メートルを超えてしまう機種もあります。この場合、設置場所が限定されるほか、住宅の美観を損ねる可能性もあります。
蓄電池は機種ごとにためられる容量が定められていますが、家庭で消費する量とのバランスが合っていない場合は蓄電池を導入するメリットが薄く感じられてしまいます。容量が少ない場合は必要な量の電気が供給できなくなり、容量が大きい場合は初期費用が高額で費用を回収する期間が長くなるのです。
設置場所や容量、費用などを加味して、十分な節約効果を得られない場合、蓄電池の導入は「やめたほうがいい」と考えられるのです。
蓄電池は精密機器なので、長期間にわたって適切に使用するには定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。また、不具合が発生した場合は部品の交換や修理を行う必要があります。
導入する際はこれらの点検・メンテナンスを前提としますが、想定外の出費により十分なメリットを感じられない可能性もあります。
蓄電池の寿命は10~15年程度といわれていますが、周辺環境や使い方などにより性能が低下するリスクがあります。原因はバッテリーとして用いられるリチウムイオン電池の劣化ですが、さまざまな劣化メカニズムが報告されています。
代表的なのが「通電劣化」と「経時劣化」です。通電劣化とは、充電と放電を繰り返すことによって劣化することです。一般的な蓄電池の寿命は6,000~12,000サイクルですが、1日1サイクルの場合、6,000サイクルなら16年で寿命が来ることになります。
また「経時劣化」は時間の経過によって劣化のことで、電子機器では避けられないものです。特に直射日光を受けたり、高温が続いたり、空気がこもって周辺の温度湿度が上昇したりすると劣化が早まるとされます。
家庭用蓄電池のメリットとデメリットを紹介したところで、導入をやめたほうがいいと思われる代表的な家庭を4つ紹介します。
家庭用蓄電池を導入することで得られるメリットが薄い家庭の場合は、「やめたほうがいい」と考えられます。例えば、日中は仕事や学校などで在宅者がいない、オール電化でない、工夫で電気代を節約できているといった理由で電気の使用量が少ない家庭です。もともと、単価の安い夜間の電気を使用する割合が高い家庭では、蓄電池を導入するメリットが十分に感じられません。また単身者や夫婦二人世帯の場合も電気使用量が少ない家庭が多く、メリットは限定的です。
近年は省エネ性能が高い住宅も増えており、もともと電気使用量が少ないケースもあります。このような住宅にお住みの家庭も、家庭用蓄電池を導入するメリットが薄いと感じられます。
蓄電池を設置するには一定のスペースが必要です。居住スペースが狭い、敷地が狭い、不整形地などの場合、蓄電池を設置するスペースが確保できない場合があります。
また、敷地に設置を想定している場合、住宅の位置関係などによって、直射日光に当たる場所や湿気が高い場所にしか設置できない可能性もあります。この場合、蓄電池の劣化を早めてしまうため、蓄電池を設置するメリットが得られにくいと考えられます。
最大のメリットが得られるのは太陽光発電設備と接続させた場合ですので、太陽光発電設備を導入しない家庭の場合はメリットが限定的といえます。自家発電によって得た電気をためて使用できれば、電力会社から電力を購入する量を大きく減らせますが、太陽光発電設備を導入しない場合はどれくらい削減できるかシミュレーションして、しっかり判断しましょう。
例えば、蓄電池を導入したことで電気料金が月に1万円安くなるとした場合、100万~300万円の導入費用を回収するには100か月(8年4か月)~300か月(25年)かかります。電気料金を安くするのが目的の場合は、費用対効果を適切に判断しましょう。
前述したように、家庭用蓄電池を導入する場合の初期費用は100万~300万円程度が相場です。初期費用がしっかり確保されている家庭であれば問題ありませんが、子どもの教育費がかかる、マイホームの住宅ローン返済で余裕がない、子どもが小さくて長時間働けないといった事情がある家庭には、初期費用の負担が大きく感じられるかもしれません。このような場合、「蓄電池を導入するのはやめたほうがいい」と判断するのが無難と考えられます。

一方、家庭用蓄電池を導入したほうがいいと考えられる代表的な5つの家庭について紹介します。
蓄電池は太陽光発電設備と好相性です。発電してためた電気を必要なときに使用でき、電気料金を節約できるからです。
また、太陽光発電設備を設置しているほとんどの家庭ではFIT(固定価格買取制度)を利用して余剰電力を売電しますが、10年間の適用期間後は電力会社による買取価格(売電価格)は下落します。そのため、FIT制度の適用期間の終了が近づいている家庭も蓄電池を導入したほうがいいと考えられます。発電量と自家消費量を管理することで、発電した電気を効率よく利用できるからです。
家庭用蓄電池によって電気料金を減らせる仕組みには、太陽光発電設備で発電した電力をためるほかに、夜間の単価が低い時間帯にためた電気を、日中に使用するということもあります。そのため、電気消費量が多い家庭ほど、削減率が大きくなると考えられます。
例えば、オール電化住宅のほか、育児休暇中やリタイアしたシニア世帯、二世帯住宅など日中に家族が在宅するケースが多い家庭は蓄電池を導入するメリットが大きいのが通常です。
蓄電池を導入することで停電時のリスクが低減されるため、安心感を高められます。そのため災害が多い、あるいは今後、大規模災害の発生が想定されている地域では、蓄電池の導入により停電対策を行っておくことが賢明です。
病気の治療・療養および介護を自宅でしている家庭や、リモートワークなど在宅で仕事をするケースが多い家庭などは、特に家庭用蓄電池を導入したほうがいいと判断できます。
蓄電池を導入するメリットは、電気使用料金を下げることだけではありません。地球環境に配慮したエコ生活を送れるのもポイントです。経済的なメリットよりも、地球にやさしい生活を優先したいという意向であれば、費用対効果などに関わらず蓄電池を導入するのがおすすめです。
家庭用蓄電池を導入する際には高額な初期費用が必要ですが、住んでいる自治体で蓄電池の補助金を用意している場合は初期費用の削減が可能です。そのため、補助金を活用できる家庭の場合は、蓄電池の導入がおすすめです。
補助金によっては、太陽光発電設備と同時に設置する場合も対象となるケースがあります。その場合、交付される補助金額が大きくなる可能性もありますので、詳細を確認しましょう。

この項目では、特に新築する際に蓄電池の導入で後悔しないためのポイントとして、代表的な3つについて解説します。
家庭用蓄電池を導入する目的が「電気使用量を減らしたい」「電気の供給を安定にしたい」「電気料金を安くしたい」といった場合、蓄電池を設置することでどれくらい抑えられるのか、把握した上で判断することが重要です。初期費用は100万~300万円程度必要ですから、どれくらいの期間で回収できるのか、正しく把握しておきましょう。
そのためにはシミュレーションをするのがおすすめです。メーカーや設置工事業者などに本格的にシミュレーションをしてもらうのもいいですが、最近は太陽光発電や蓄電池を設置する際のシミュレーションが行えるサイトがいくつか存在しています。
導入した場合の電気料金の削減率や費用の回収時期などが把握できるため、導入したほうがいいのか、やめたほうがいいのか、より判断しやすくなります。
蓄電池には容量や設置場所、機能、保証内容などにより、いくつも種類があります。もちろん専門家でないと判断できないことも多く、どの機種を導入するとベストか、導入しないほうがいいかといったことはパンフレットやホームページを見ただけでは分かりません。
専門家に事前に相談し、アドバイスを受けることで設置後のトラブルを防ぐ可能性も高められます。
新築時に太陽光発電設備や蓄電池を設置するには専門的な知識と技術が必要ですので、実績のある建築会社を選ぶようにしましょう。装置を設置するためのスペースを確保したり、するために必要な電気工事を行ったりする必要があるからです。
家庭用蓄電池も太陽光発電設備も住宅付帯設備となり、ハウスメーカーや工務店などの建築会社の実績には差があります。年間数棟~数十棟の実績がある企業もあれば、実績はゼロという企業もあります。実績のある建築会社であればノウハウがあるのはもちろん、設置後のトラブルにもいち早く対応してくれるでしょう。
「電気料金を抑えたい」「地球にやさしい暮らしをしたい」と蓄電池の導入を検討されている方も増えています。本記事では、蓄電池を導入したほうがいい家庭と、やめたほうがいい家庭についても紹介しました。ぜひ参考にしてください。
なお、ハウスジャパンが提供している建売住宅プラン「CUSTOM建売」では、太陽光発電システムが全棟標準装備されているなど、太陽光発電設備の施工事例が豊富にあります。もちろん、ご希望により蓄電池も同時に導入している建売住宅・注文住宅の事例も数多くあります。
当社では新築時に太陽光発設備および蓄電池を導入したいといった場合、知識と実績が豊富な担当者が担当しますので、お気軽にご相談ください。