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マーケティングチーム
マイホームは家族にとって生活の拠点であり、未来につながる大切な場所です。しかし、建築物である限り経年変化が進み、いずれ老朽化してしまいます。そのため、家族が長く快適に暮らすには、メンテナンスは必要不可欠なのです。
本記事では、メンテナンスがしやすい家の特徴を紹介し、そのポイントの1つである掃除のしやすさにも焦点を当てて解説します。家族が長く安心して暮らすためにも、メンテナンスのしやすい家、掃除しやすい家づくりについて、ぜひ理解を深めてください。
住宅にはメンテナンスや修繕は欠かせないもので、その際にはもちろん費用も時間も労力もかかります。例えば、外壁は種類によって7年から15年ごとに再塗装する必要があり、費用は程度にもよりますが数十万~数百万円になります。
そこで提案したいのは、あらかじめメンテナンスがしやすい家にすることです。メンテナンス時の費用や労力を最小限に抑えることができる上に、住宅の寿命も延ばすことができます。住宅の寿命は、日々の使い方や清掃、メンテナンスの頻度などによって大きく変わります。メンテナンスがしやすい住宅にすることで老朽化の進行を抑えることができ、快適な暮らしを長く続けられるのです。
万が一売却する際も、築年数における相場に比べて資産価値が高まる可能性もあります。この点も、メリットといえます。
では、実際にメンテナンスがしやすい家にはどのような特徴があるのでしょうか。代表的な4つのポイントについて解説します。
木造住宅は、築後30年で寿命を迎える物件もあれば、80年や100年経っても利用され続けている物件があります。つまり、工夫次第で寿命を延ばすことも可能なのです。
例えば、外壁や屋根は雨や風の影響を受けやすく、傷みやすいものです。しかし、耐久性が高い、あるいはメンテナンス性の高い建材もあります。これらを選ぶことで、メンテナンスの頻度を減らすことが可能になります。
下記の表は、代表的な外壁材の寿命と再塗装の頻度をまとめたものです。
外壁の種類 | 寿命 | 再塗装のサイクル |
窯業系サイディング | 20~40年 | 10年程度 |
木質系サイディング | 15~30年 | 10年程度 |
金属系サイディング | 20~40年 | 15年程度 |
このように採用する外壁材によっても寿命や再塗装のサイクルが違い、メンテナンスにかかる費用が異なります。また外壁材をつなぐコーキング剤が劣化するため、劣化しにくいコーキング剤を選ぶといったことでもメンテナンスのサイクルを削減できる可能性もあります。
さらにセルフクリーニング機能でメンテナンスの手間を軽減できる外壁材もあるので、不明な点は建築会社の担当者に相談するとよいでしょう。
住宅は築年数が経つごとにいろいろな箇所で不具合が出てくるもので、補修や交換が必ず必要になります。その際に困るのが、独特の形状のものや特殊な部材が使用されている場合です。補修や交換ができず、全部を交換することになる可能性もあります。つまり、その分メンテナンスや修繕費用がかさんでしまうことになるのです。
同様に、建材が広く普及しているかどうかもメンテナンスに大きく関わります。広く普及している建材は誰でも扱えますが、広く普及していない建材は、新築時の施工を請け負った会社でないと補修や交換を断られるケースも多いです。このような場合はメンテナンスや修繕が難しくなることも覚えておきましょう。
ひどい汚れがついたり、カビや腐食などが発生したりすると、住宅設備や建材などの劣化が進み、住宅の寿命は短くなります。つまり、メンテナンスしやすい家の特徴の1つは、掃除しやすい家でもあるのです。キレイにすることで劣化しにくくなる上、掃除を頻繁にすることで劣化につながるような汚れや損傷を小さなうちに見つけることもできます。結果的にメンテナンスや修繕にかかる費用を抑えることができるのです。
掃除がしやすい家にするには、部屋の形を四角形にするなどシンプルな間取りを心がけましょう。また、無駄なスペースがないのも掃除のしやすさにつながります。普段から家族が行き来することで、損傷や汚れなどが放置されにくくなるからです。
前項と同様に、掃除がしやすい設計や仕様にすることもメンテナンスがしやすい家の条件の1つです。例えば、傷や汚れに強いトイレやクロス、汚れがすぐに落ちるキッチンパネルやワークトップなどを採用することで、掃除のしやすい家になります。
他にも室内にたっぷりと日差しを取り込めるような設計は、カビや腐食の発生を抑えることにもつながります。こうした知識やアイデアを盛り込むことで、メンテナンスしやすい家になります。
掃除がしやすい家にするには、掃除がしにくいあるいは汚れやすい場所を把握することが重要です。代表的な次の5つの場所について、どのように汚れやすいのか解説します。
毎日、水を使う場所なので、水あかやカビなどが発生しやすい場所です。バスルームはシャンプーやボディソープが飛散した際の汚れ、トイレは黒ずみや尿石などニオイを伴う汚れ、洗面所は歯磨き粉や石鹸などのカスによる汚れといったように、特徴が異なることも覚えておきましょう。
それぞれ汚れにくい素材を用いた設備機器が用意されていますので、それらを採用するのがおすすめです。
掃除をする上で気を付ける場所の1つが部屋の角や隅ではないでしょうか。ホコリがたまりやすい上に、掃除機が入りにくく掃除しにくいからです。ロボット掃除機でも、隅にゴミが残ってしまうケースが多々見られます。
屋内を雨や風から守る役割を果たしている外壁は、その分、汚れやすいものです。汚れの種類は複数あり、雨水による水あかのほか、泥や土砂、排気ガス、換気口から出る油汚れ、カビやコケ、藻、黄砂や花粉、鳥のフン、サビなどが考えられます。種類によって落としにくさも異なります。
放置すると美観を失うだけではなく、塗装が剥がれやすくなる、素材が変質してしまうなどで劣化を早める原因になってしまいます。
外構は屋外のスペースなので、土ぼこりや雨などで汚れやすいものです。そのほかにも、雨だれや排気ガス、カビやコケなどにより汚れてしまいます。
門扉やフェンス、デッキなどのエクステリアには、木材や金属、コンクリートといった複数の素材が使用されていることもあります。その場合、適切な掃除の仕方も異なります。また、地面や芝生から雑草が生えてくるため、雑草取りなどにも手間がかかるでしょう。
バルコニーも屋外に出ているため、雨や土ぼこり、排気ガスなどで汚れやすい場所です。また、植木鉢からこぼれた土による汚れ、枯れ葉、干した洗濯物から落ちた繊維やホコリ、害虫の死骸なども汚れの原因になります。
加えて、屋外用のテーブルセット、エアコンの室外機や物干し竿、洗濯用品、ガーデニング用品、防災用品、レジャーグッズ、バーベキュー用品などいろいろなものが置かれていることもあります。掃き掃除だけではなく拭き掃除も必要な上、雑多にものが置かれていることもあり「掃除がしにくい」「掃除するのが面倒」な場所といえます。
住宅における汚れやすい箇所について把握した上で、掃除がしやすい家づくりについて間取りに関する6つのポイントを紹介します。
複雑な間取りにすると角や隅がいくつもできてしまい、掃除がしにくい、掃除するのが面倒に感じる住宅になってしまいます。
また掃除は部屋を移動しながらすることが多いため、部屋数が多かったり、複雑な間取りになっていると何度も同じ場所を行き来したり、掃除に時間がかかったりする原因になります。掃除機を持って移動することが面倒に感じてしまい、掃除の頻度が減る可能性もあります。そのため、できるだけ室内に隅ができないように、凸凹の少ないシンプルな部屋の形状にするのがおすすめです。
段差があると、掃除をしてもゴミやホコリなどが残りやすいものです。掃除機をかけただけではキレイにすることができず、拭き掃除も必要になります。
そのため、小上がりやスキップフロアなどの採用を控えて室内の段差をなるべく減らすようにしましょう。
同様に、階段を減らすのも掃除しやすい住宅にするポイントの1つです。
屋根小屋やロフトなどを設けると、スペースの有効活用になるケースがあります。ただし、掃除機を持っていくのも難しい上、腰をかがめて掃除をすることになるため、掃除の難易度が上がることも覚えておきましょう。
掃除機やロボット掃除機専用の収納スペースを設けるのもおすすめです。掃除機は生活感が出てしまうため、しまっておきたくなるものですが、完全に隠してしまうと取り出して掃除するのがおっくうに感じることもあります。
そのため、生活動線に合わせた場所に掃除機専用の収納スペースや、ロボット掃除機の充電兼収納場所を設置しましょう。掃除機の出し入れがしやすいと手軽に掃除を始めることができるので、掃除のハードルを下げることにもなります。
コード式の掃除機を使用する際はコンセントが必要不可欠です。コンセントの設置場所や高さを決める際は、掃除のしやすさも考慮するようにしましょう。
住宅の生活導線に無駄があったり、同じ箇所を行き来することが多い設計だったりすると、掃除がしにくくなります。そのため、生活動線に無駄なスペースをつくらないような設計を目指しましょう。
おすすめは回遊動線です。行き止まりがなく、掃除をする際も同じ場所を行き来することがないため、掃除しやすくなるだけでなく時短になります。
回遊動線は掃除機のかけやすさだけではなく、そのほかの生活のさまざまなシーンで暮らしやすさを感じられます。メリットなどについて知りたい方は、建築会社の担当者に相談してみましょう。
風通しがよい住宅は湿気がたまりにくいため、カビの発生を抑えられます。つまり、掃除の手間を減らすことができるのです。
風通しのよい住宅にするには、適切な窓の数と大きさ、配置を心がけましょう。向かい合った壁面にそれぞれ窓をつける、同じ壁面の上下にずらして窓を設置するといったことで、風の流れをつくり出すことができます。窓を大きくするだけではなく、風の通りをイメージして窓を決めるようにしましょう。
ただし、窓は換気のためだけではなく、採光の役目も果たします。閉塞感なくプライバシーを守りつつ、換気と採光の条件を両方満たす窓が理想です。
洗濯物の干し場や眺望の確保のために利用されることの多いバルコニーですが、必ずつけなければいけないものでもありません。バルコニーを有効活用する家庭もあれば、活用されていない家庭もあります。それならば、メンテナンスや掃除のことを考えてバルコニーはつけないのも選択肢です。
バルコニーをつけた場合とつけない場合にどのように生活に影響があるかは、家族のライフスタイルや考え方によって異なります。「景色を眺めたい」「プライバシーを気にせずコーヒーや日光浴を楽しみたい」といった具体的な使用目的があるか、1日何時間バルコニーを使用するか、などを考えてみましょう。
掃除がしやすい家づくりのポイントについて、仕様や設備に関わる知識を8つ紹介します。
キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは家族が毎日使う場所で、汚れやすいです。そのため「汚れがつきにくい」「汚れを取りやすい」ものを選ぶとよいでしょう。
例えば、キッチンの天板で汚れがつきにくいのはステンレスです。また、ガスコンロよりもIHヒーターのほうが掃除しやすいというメリットがあります。
床材と壁紙も、掃除のしやすいものを選びましょう。その場合、キッチンや洗面の床はクッションフロアやフロアタイルなどを選び、壁は水撥ねや油汚れ防止にキッチンパネルやタイルをつけるなどの方法があります。傷や汚れに強い壁紙にするといったように、場所ごとの汚れやすさによってセレクトするのもよいでしょう。ただし、機能性の高い床材・壁材を選ぶとコストが高額になることもあるので、予算を考慮しながら採用するのがおすすめです。
調湿作用がある内装建材を選ぶのもおすすめです。調湿タイプのクロスやエコカラットなどは湿気を調整してくれるため、腐食やカビ・ダニの発生を抑制することができます。調湿だけでなく防臭効果が期待できるタイプもあります。
おしゃれで人気の高い間接照明ですが、天井付近に設置すると掃除をするのに時間と労力が必要です。掃除がしにくいからといって放置してしまうと、ホコリが落ちてきて気になるといったこともあります。
また、壁などに棚や収納などを設けるニッチもおしゃれ感が増しますが、掃除する箇所を増やすことにもつながります。共働きなどで掃除をする時間が確保できない場合は、見送りも検討しましょう。
部屋の形状をシンプルにするとゴミがたまりにくく、掃除がしやすくなりますが、収納などの家具を置いてしまうと結局ゴミがたまりやすい隅や角ができてしまいます。
その点、収納を造り付けにすると、すっきりとした見た目でおしゃれになる上、掃除もしやすくなります。
見せる収納という方法もありますが、収納の中にゴミやホコリがたまりやすくなります。そのため、収納に扉をつけるのがおすすめです。ゴミやホコリが入りにくく、掃除の頻度を減らすことができます。
床にレールがあるとホコリや抜け毛がたまりますが、吊り戸は上部にレールを設置するため床にレールがありません。床にレールがなければ掃除機をかけやすく、床の拭き掃除をする際も手間が省けます。
庭づくりが好きな方はいいですが、苦手な方にしてみると雑草駆除は手間がかかり、苦痛に感じるはずです。そのため、外回りはコンクリート仕上げにしたり、砂利の下に防草シートを敷いたりして、雑草を生えにくくするのがおすすめです。
メンテナンスがしやすい家とは、耐久性に優れ、掃除や補修がしやすくて劣化しにくい家のことです。今回は、メンテナンスしやすい家にするための建材・設備選びや間取り・設計の方法などについて、ポイントを紹介しました。もちろん、すべて採用するのは難しいので、ご家族の生活スタイルや暮らし方、考え方に合わせて優先順位を決めて採用するのがおすすめです。
なお、ハウスジャパンでは、提供する住宅のすべてで長期優良住宅仕様を標準にしており、耐久性やメンテナンスに優れた住宅を提供しています。また掃除がしやすくなるようなアイデアも提案していますので、ぜひご相談ください。