STAFFBLOG

2024.06.11 UP

土地購入の注意点とは?広さや利便性以外にも気をつけたい11のポイント

建物は設計を変更することなどはできますが、土地は後から広さを変えたり、形を変えたりすることはできません。つまり土地選びを間違えると、家づくり、さらには暮らしやすさにも大きく影響してしまいます。
そこで今回は、土地購入の際の注意点について、土地に設けられた規制や快適な住宅にするためのポイント、お金に関わる注意点の3つに分けて解説します。

目次

土地に要因する建築物の規制に関する注意点

自分の土地なので自由に家を建てられると思いがちですが、都市計画法、建築基準法、道路交通法の3つの法律によって土地には建築物に対するルールが設けられています。どのようなルールがあるのか、具体的に見ていきましょう。

用途地域によって建てられる建物の種類や規模が異なる

用途地域とは、住宅地、商業地、工業地というように土地を区分しているルールのことです。例えば、住宅街の中に工場が建っていると、住民は住みにくい一方、工場も稼働しづらいものです。こうした事態にならないように土地利用に合わせてエリアを分け、それぞれが活動しやすいようにルールを定めているのが用途地域です。

用途地域には13の種類があり、以下のように建てられる建物の種類や規模が異なります。

 

用途地域の種類 概要
第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域。小規模な店や小中学校なども建てられます。
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅のための地域。小中学校のほか、150㎡までのお店なども建てられます。
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域。病院や大学、500㎡までのお店なども建てられます。
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅のための地域。病院や大学、1,500㎡までのお店や事務所なども建てられます。
第一種住居地域 住居の環境を守るための地域。3,000㎡までの店舗や事務所、ホテルなどが建てられます。
第二種住居地域 主に住居の環境を守るための地域。店舗や事務所、ホテル、10,000㎡までのカラオケボックスなどが建てられます。
準住居地域 道路の沿道において、自動車関連施設と住居が建てられる地域です。
近隣商業地域 住民が買い物などをするための地域。住宅や店舗のほか300㎡以下の自動車修理工場も建てられます。
商業地域 銀行や映画館、飲食店、百貨店が集まる地域。住宅や小規模工場も建てられます。
準工業地域 軽工業の工場やサービス施設などが立地する地域です。
工業地域 あらゆる工場が建てられる地域。住宅やお店は建てられますが、学校や病院、ホテルなどは建てられません。
工業専用地域 あらゆる工場が建てられる地域。住宅やお店に加え、学校、病院、ホテルなども建てられません。
田園住居地域 農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域。住宅のほか、教育施設や病院などが建てられます。農産物直売所や農家レストランを建てる際は2階までとなります。

 

例えば、交通アクセスが良く、広さも理想通りの土地を見つけたとしても、用途地域が工業専用地域であれば住宅は建てられないということです。

またそれぞれの用途地域では、建ぺい率や容積率など建物の建て方のルールが定められています。そのため、希望に合う土地を見つけたとしても、これらのルールに合わせて建てる必要があります。

なお、建ぺい率とは敷地面積に対して建てられる建築面積(建物を真上から見た面積)の割合のことです。例えば、敷地面積が200㎡の土地の建ぺい率が60%の場合、建築面積の上限は120㎡となります。一方、容積率とは敷地面積に対して建てられる延べ床面積の割合のことです。例えば、敷地面積200㎡の土地の容積率が200%の場合、延べ床面積の上限は400㎡となります。

建物の高さには5つの制限がある

用途地域によって建てられる建物に制限があることを紹介しましたが、用途地域や建ぺい率などがそのまま適用されるわけではありません。近隣住宅などへの影響を考慮するために、さらに制限が設けられているからです。代表的なのが次の5つです。

■道路斜線制限

斜線制限とは、隣接する建物の日差しや風通しを確保するためのルールです。

道路斜線制限とは、道路や両側の建物の日差しや風通しに影響を与えないための、建物の高さに関する制限です。住居系の用途地域の場合、建物は道路の反対側の境界から1.25倍以下(傾斜勾配)の高さに制限されます。

ただし、道路から一定距離以上離れて建物を建てる場合、道路への影響がないと考えられ、道路車線制限の適用は受けないことになります。なお、適用距離の対応距離は用途地域によって異なります。

■隣地斜線制限

隣地斜線制限は、隣地の日差しや風通しに影響を与えないように設けられている建物の高さに関する制限です。第一種および第二種中高層住居専用地域や、第一種および第二種住居地域、準住居地域の建物は、隣地境界線に20mの垂直線を引いて、その上端から1.25倍以下(傾斜勾配)の高さに制限されます。

■北側斜線制限

北側斜線制限は、北側の土地の日当たりを確保するために設けられている制限です。例えば、用途地域が第一種および第二種低層住居専用地域の場合、建物は、真北隣地境界線に5mの垂直線を引いて、その上端から1.25倍以下(傾斜勾配)の高さに制限されます。

■絶対高さ制限

用途地域が第一種低層住居専用地域および第二種低層住宅専用地域、田園住居地域の場合、建物の高さは10mまたは12mのうち、都市計画で定められた制限を超えて建てることはできません。

■日影規制

周辺の土地の日照を確保するために設けられている制限です。日照時間が1年で最も短い冬至日を基準に、日陰になる部分を敷地境界線から一定の範囲に収めなければなりません。制限を受ける建物は、用途地域ごとに高さや階数で定められています。

接道状況によって家が建てられないことも

道路交通法には、家を建てる際に「前面道路を幅4m以上確保し2m以上接道しなければならない」という接道義務があります。かつてはこのような決まりがなかったこともあり、住宅密集地にはこの接道義務を満たしていない古い住宅や空き地があります。そのため接道状況に不安がある場合は、前面道路の幅員を確認するようにしましょう。

なお接道義務を果たしていなくても、道路の幅を広げるために境界線から離して建物を建てる(セットバック)ことができれば住宅の建築は可能ということになっています。

防火地域か準防火地域の場合は建築費用が増加する

都市計画法で、「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されているのが防火地域あるいは準防火地域です。例えば、防火地域では3階以上の建物を建てる場合、耐火建築物とする必要があります。

耐火建築物は耐火構造であることに加えて、防火窓や防火ダンパー付き換気扇などを取り付けることが必要です。このように火災に備える必要があるため、防火地域あるいは準防火地域の場合は建築コストが増加する傾向があります。

 

快適な住宅にするための土地選びの注意点

快適な住宅にするためのポイントは、家だけではなく土地にもあります。そのため土地を選ぶ際には、土地の形状や地盤の状態といったことに気を配りましょう。この項目では、代表的な4つの注意点について紹介します。

地盤が弱いと地盤沈下や液状化現象が起きる危険も

地盤とは、建築物などの基礎を支える地面のことです。地盤には建物荷重がのしかかるため、地盤が弱いと建築物を適切に支えられなくなってしまいます。また、地震が起きた際に地盤沈下や液状化現象が起きる危険もあります。

地盤改良工事を行うこともできますが、100万円単位の費用がかかることもあるため、住宅の予算に影響してしまうことも考えられます。そのため土地を購入する前には地盤の状態をチェックするようにしましょう。国土交通省では国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」(https://www.kunijiban.pwri.go.jp/jp/)を提供しており、地域で行われているボーリング調査の記録が確認できます。また、ジャパンホームシールドが運営する「地盤サポートマップ」(https://supportmap.j-shield.co.jp/)などからも、地盤の情報が提供されています。

隣地境界線の事前確認でトラブルを未然に防ぐ

隣地境界線とは、隣地との境界を明確に示す線のことです。ただし実際には線はなく、境界標と境界標を結ぶことによって境界が決められています。

この境界線によって建物の位置や窓、縁側などに規定があり、建物を建てる際には守る必要があります。また空中や空間、地中にも存在しているため、木の枝やゴミなどが越境することで隣家とトラブルになることもあります。そのため、土地を購入する前に正しい隣地境界線を確認しておくようにしましょう。

隣地境界線の確認は測量図で行うのが一般的ですが、測量図がない場合は現地立ち合いで境界標を確認することになります。また、土地を売買する際には売主に境界を明示する義務がありますが、境界非明示で売買されているケースもあるので注意しましょう。この場合は売買を担当する不動産会社に相談して、測量をし直すかどうかアドバイスをもらうことが重要です。

日当たりと風通しの良さが家族も家も快適にする

土地の日当たりと風通しは後から変えられないため、必ずチェックしてから購入しましょう。例えば、家の中にたっぷりの日差しが差し込んだり、風通しが良かったりすると、室内での快適性が向上します。冬は暖房費が節約できるなど、家計においてもプラスになります。

また、建物にとっても日当たりと風通しは重要です。日差しが家に当たると、雨に濡れても乾きやすくなり、劣化を遅らせられます。同様に、風通しが良ければ湿気が室内にこもることを防ぐため、老朽化を抑制できます。

不整形地でもアイデア次第で快適な空間に

住宅を建てる際の土地の形状は、四角形や長方形などの整形地が望ましいとされます。住宅の形は四角形がほとんどだからです。整形地なら無駄な土地が生まれず、土地を有効活用できるといったメリットがあるのです。

一方、旗竿地などの不整形地でも、アイデア次第で快適な住空間にできます。また、土地価格が抑えられているのが一般的で、予算を家づくりに回せるというメリットもあります。ただし、不整形地での家づくりは経験やノウハウが必要になるため、実績が豊富なハウスメーカーに依頼することが重要です。

 

土地購入時のお金に関する注意点

土地を購入する際にはもちろん資金が必要で、お金に関する注意点もあります。代表的な3つの注意点について紹介します。

土地価格の相場をチェックする

土地を購入するには、近隣の土地価格の相場を確認することが大切です。相場を把握していないと、その価格が適正かどうか判断できないからです。また相場を把握しておけば、必要に応じて価格交渉することもできます。

土地価格の相場を確認するには、国土交通省が運用している「不動産情報ライブラリ」(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)や不動産情報ポータルサイトなどで過去の取引事例をチェックする方法があります。また、仲介を担当している不動産会社に情報を提供してもらうことも可能です。

土地代金以外にも土地購入時には費用がかかる

土地を購入する際には、土地代金以外にも支払いが生じる諸費用があります。これらを把握しておかないと、予算オーバーになってしまうことも考えられますので、事前に確認しましょう。具体的には以下の費用がかかります。

 

・仲介手数料

・司法書士への報酬

・住宅ローンの手数料(事務手数料と保証料)

・税金(不動産取得税、印紙税、登録免許税、固定資産税・都市計画税)

 

土地購入時の諸費用は、土地代金の1〜2割程度が目安です。土地代金が2,000万円の場合は、諸費用として200万円〜400万円前後かかると心得ておきましょう。このほか、測量が必要な場合の費用、地盤改良が必要な場合の費用など、必要に応じてかかる費用もあります。

住み始めてから毎年かかる税金の確認も

土地購入時には、不動産取得税、印紙税、登録免許税、固定資産税・都市計画税などの税金を支払いますが、土地を所有していると毎年、固定資産税・都市計画税がかかることも覚えておきましょう。固定資産税と都市計画税は同時に納税することになりますが、以下のように違いがあります。

固定資産税:毎年1月1日に、土地や家屋などの固定資産を所有している個人や法人に課せられる地方税です。税額は、課税標準額×1.4%(標準税率)で求めることができます。

都市計画税:毎年1月1日に、都市計画税がかかる市街化区域に固定資産を所有している個人や法人に課せられる地方税です。税額は、課税標準額×0.3%(最高限度)で求めることができます。

どちらの税金も、土地が広いほど納税額が高くなるのが一般的です。土地を所有していると毎年税金がかかるため、毎年の納税額がいくら程度になるのか、把握しておくようにしましょう。

 

まとめ

今回は、土地を購入する際の注意点について紹介しました。土地には、法律によってさまざまな制限やルールが設けられているため、建てられる建物が異なります。「良い条件の土地を見つけた」と思っても、理想の住宅が建てられないこともあるため、正しい知識を身につけておくことがとても重要です。

また、土地購入時には土地代金以外に諸費用や税金などを支払うことになります。土地購入時に予算オーバーになってしまうと、肝心の家づくりに影響しますので、どのような費用がかかるのか把握しておくようにしましょう。

マーケティングチーム

記事の著者

マーケティングチーム